社交ダンス初心者の方に、僕が社交ダンスをおすすめしたい理由があります。それは、仕事や家庭など今の生活を壊さずに、日常の中で小さな冒険ができるからです。

大人になると、毎日が同じことの繰り返しになり、「最近、ドキドキしていないな」と感じることがあります。そんな方にとって、社交ダンスは遠くへ旅に出なくても、新しい発見を重ねられる時間になると思います。

大人になると毎日がつまらなく感じやすい理由

子供の頃は、初めて見るものばかりでした。若い頃も、知らない場所へ行ったり、初めて会う人と話したり、いろいろなことが新鮮だったと思います。

ところが大人になると、経験が増えてきます。「ああ、それは前にも見たな」「またあれか」と、先が読めるようになる。これは大人の良さでもありますが、その一方で、毎日が同じことの繰り返しになりやすいんですよね。

慣れた場所、慣れた人、慣れたやり方。そこにいれば余計なストレスはかかりません。コンフォートゾーンという言葉もありますが、僕自身も新しいことを始めるのは面倒くさいと感じます(笑)。

ただ、ずっと同じ場所にいると、新しい発見も少なくなってしまいます。

いつもの生活に少し変化を入れると、感覚が動き出す

以前、ある営業マンの話を聞いたことがあります。その人は、食事をする時に、できるだけ同じ店に行かないそうです。

お気に入りの店があっても、あえて別の店に入る。知らない店に行けば、新しい味があるかもしれないし、思いがけない発見があるかもしれない。そうやって、自分の感覚をアップデートするのだそうです。

人付き合いも似ています。いつもの友達と、いつもの話をするのは楽しい。でも、そこに知らない人が一人入ってくるだけで、話が変わることがあります。自分にはなかった考え方を聞いて、「そういう見方もあるんだ」と驚くこともあります。

旅行も同じです。大人になると、決まった時間に決まった場所へ連れていってもらえるツアーの方が安心で、楽なこともあります。でも、たまには自分で予定を立てたり、予定を決めずに出かけたりするのも面白そうですよね。

大きな環境の変化ではなく、小さな冒険でいい

僕は沢木耕太郎さんの「深夜特急」が好きで、本も何度も読みましたし、ドラマも見ました。気ままに旅をして、知らない土地へ行く。ああいう世界に憧れます。

もっとも、僕自身がバックパッカーとして旅をしたわけではありません。本とドラマで疑似体験しただけです(笑)。実際には仕事も生活もありますから、今の暮らしを全部変えて、あんな旅に出るのは簡単ではありません。

憧れがあっても、いきなり大きく環境を変えたら、刺激どころか本当のストレスになってしまうかもしれません。だから僕は、小さな冒険でいいと思っています。

いつもと違う道を歩く。知らない人と話す。新しいことを一つ覚える。そのくらいでも、日常は少し変わります。

社交ダンス初心者なら、教室の中で小さな初体験ができる

社交ダンスは、そういう意味でちょうどいいんです。

初めてのステップを覚える時は、ちょっとドキドキします。いつもと違う種目を踊る時には、また新しい発見があります。昨日まで思うように動かなかった足が、今日は少し動く。一緒に踊る相手が変わると、また違う感じがする。

遠くへ旅に出なくても、教室の中で小さな初体験が次々に起こります。しかも、仕事や家庭など、生活を全部変える必要はありません。週に一度、いつもと違う時間を過ごしてみる。それだけでも、気分は変わると思います。

「大人になったから、もう新しいことはない」と決めなくていいんです。社交ダンスを始めれば、自分の知らない自分に、まだ出会えるかもしれません。

最近、毎日が同じだなと思っている方も、いきなり世界一周をする必要はありません(笑)。まずはいつもの日常から、ほんの少しだけ外に出てみませんか。

社交ダンスには、日常を壊さずに楽しめる、そんな小さな冒険が待っていると思います。